売れる人と売れない人の決定的な違いとは?
売れるか売れないかは
相手のことをどれだけ思っているかの差だ。
モテるかモテないかも
相手のことをどれだけ思っているかの差だ。
どうも、
名古屋の美容師、そして人間の研究家
亀田トオルです(`_´)ゞ
ある日の営業中だ、
突然70代くらいのマダムが来店した。
その日空いているスタッフは
1人しかいなかったため、
その女性スタッフにまかせることにした。
マダムは真っ黒な皮のコートに
タイトなブーツ、
そして曇り空なのにサングラスをしている。
明らかにお金持ちオーラを漂わせていた。
メニューはシャンプーブローだ。
マダム『私の髪は細いから最後にホットカーラーでしっかりあとをつけてくださるかしら?』
スタッフ「わかりました」
この手のタイプは
好き嫌いがハッキリしている上にこだわりが強い。
その女性スタッフが上手く対応できるか
かなり不安だった。
そしてシャンプーが終わり
ホットカーラーを巻き始める。
『えっと、ここはこう巻いてくださる?あ、違う、ここはこうで、前髪はもっと前に』
「はい、わかりました」
もうこの時点で僕は
「何とか上手く乗り切ってくれー」
と気が気ではなかった。
マダムはやはりかなりのこだわりがある様で、
下手すると“めんどくさい客”と
カテゴライズされるくらいの
こだわりの強さだった。
そしてそのスタッフはマダムの指示を受けながら
何とかホットカーラーを巻き終え、
冷ましてからホットカーラーをはずした。
が、しかしだ、
次のマダムが発した言葉を聞いて
僕は「ヤバッ」と固まった。
『最後にブラシはあるかしら?』
迂闊にもうちの店にはカーラーを巻いた後の
巻きをなじませる様なブラシがなかったのだ。
どうする?と思いながら横目で見ていると、
その女性スタッフは淡々と対応した。
「うちにあるブラシだとこれかこれですかね」
『これも、これも違うわ、ちょっと違うけど私のバックにブラシがあるから出してもらってもいい?』
「はい」
『ほら、こうやってとくとボリュームがでるでしょ』
「ほんとですね」
自分でブラッシングしだしたマダムを
横目で見ていた僕は
「終わったー、自分でやられたらもう終わりだ」
ともう気が気ではなかった。
しかしその後彼女は形勢逆転をはかったのだ。
彼女はマダムに美容道具のカタログを見せ、
「どういうブラシがいいですかね?次までに仕入れておきたいので教えてください」
と言った。
マダムも一緒にカタログを見て
『これがいいかしらね〜、へーこんなのもあるんだね』
と意外といい空気感だ。
この時完全に最初の空気感からは
想像もできなかったような
妙な一体感が生まれていた。
最終的にマダムは
『また来るわ!』
と言って笑顔で帰っていった。
と、この様なエピソードをただ聞くだけだと
さらっと流れてしまいそうだが、
人の信頼獲得までのプロセスを
垣間見た瞬間でもあった。
しかしそれと同時に
信頼を得るか失うかは
かなり紙一重だということにも気付かされた。
今回のケースでいくなら
最後の場面で
「ブラシはありません」は1番ダメ。
用意しとけよと突っ込まれるだろう。
「発注しときますね」は普通。
あ、発注してくれるんだ、くらいの感動だろう。
実際にマダムに見せて選んでもらったのは大正解。
“そこまでしてくれるんだ”という感動になる。
自分のアドバイスの元選んだブラシを
発注して置いてくれてるとあっては
次も行かないわけにいかないだろう。
売れるか売れないかは
相手のことをどれだけ思っているかの差だ。
モテるかモテないかも
相手のことをどれだけ思っているかの差だ。
こればっかりは核となる部分故に
マニュアルでは伝えきれないものである。
それと同時にそこを知ってか知らずか
さらっとやってのけるスタッフがいることに
誇らしく思った瞬間でもあった。
では。
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