人に行動してもらうスキルに長けた人の話。


先日、ある美容室の社長さんと話をした。
当然話のタネは仕事のことである。
その中で
「人に行動してもらうためには?」
といった内容の話の流れになった。

どうも、
名古屋の美容師、そして人間の研究家
亀田トオルです(`_´)ゞ
 
『亀田さんは行動できなくて困っている人に声をかけるとき、一番大事なのは何だと思いますか?』
「ええ、何でしょう、困っていることを聞いて解決に導くことですかね?」
『そうですね、普通は困っている人がいたら「なんとか解決してあげよう」って思いますよね。で、アドバイスを色々とすると思います。でも、アドバイスしても相手は動きません』
「アドバイスは意味がないということですか」
『誰かに相談をした時、ドンピシャにハマる解決策をもらった記憶ってありますか?』
「確かにそう考えるとあまりないかもしれません」
『そう、ほとんどの人は無いと思います。アドバイスって、なかなか相手には届かないんですよ』

例えばあなたが友人に
「仲が良くない人がいる」
という相談をしたとしよう。
すると友人は
「飲みに誘ったらいいんだよ」
というアドバイスをする。
それを聞いたあなたはおそらく
「それで解決するなら、誰も苦労しないよ」
そう思うことだろう。

アドバイスがたとえ「正解」であったとしても、
それを本人がやれるかどうかは別の問題なのだ。
 
モデルハントができない人がいる。
「とにかく話しかけて慣れることが大事だよ」
そう言われてもできるわけではない。
なぜならその人は

人に声をかけることを怖がっているからだ。


つまり人にするアドバイスのほとんどが
「こうやったらいいんじゃない?」である。
しかし本人は
「こうやったらいいことが怖い」
だから悩むのだ。
そして結局アドバイスは役に立たない。
 
相談を受けた時本当に必要なのは、
相手の「恐怖」を取り除いてあげることである。
ご存知の通り多くの人は論理では説得されにくい。
なぜなら論理による説得は多くの場合、
当事者が「ねじ伏せられた」と感じるからだ。
 
 
続けて僕は社長に聞いた。
「どう相手の恐怖を取り除けばいいんですか?」
『今の状況を聞くだけで十分ですよ。話し相手がいるだけで、悩みなんてほとんど自己解決するんですよ。要するに相手に“壁打ち”てもらえればいいんです』
 
こんな話を聞いたことがある。
「解決策を考えている」と言っても、
殆どの人は考えているわけではなく、
“なんとなく”悩んでいるだけだと。
 
行動するためには
「私は今、これをしなければならない」
と行動すべきことを
自分で決意をしなければならないのである。
 
そして、そのために良い方法の1つが、
“悩み”という曖昧なものを、
誰かに話すことである。
正体の見えない悩みは怖いが、
人にそれを話すことで悩みが明るみに出て、
やるべきことがはっきりする。
そうすれば“行動”につながるのだ。
 
そう考えると
「人から相談を受けたら、状況を聞くだけで十分」
というのは社長の言うとおり真理なのだろう。
では。

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